発表者: 医療法人志仁会 西脇病院 永山 賢治(看護師)
私の勤務する療養病棟は、60床の男女混合の開放病棟である。平均在院日数16年の歴史的長期入院者で、平均年齢61歳、疾患も統合失調症87%、介護度は低く比較的に元気な患者層である。また、活動空間も多く、他の病棟に比べて恵まれた環境である。そのような中、安全で適切な療養環境の整備と、楽しみや目標の持てる活動の場作りを病棟目標に、この4年間、毎年30万円のレク予算で病棟独自の活動を行ってきた。
今回の発表にあたり、 活動の参加状況を年別にまとめたところ、明らかに地域に出て行く企画に関しては参加者が減少していることや企画に関しては、職員主体から患者とともにへ、活動場所も院外 (地域) 主体から院内(中で)→病棟内(身近な場)でへ、また、内容も楽しませるから共に楽しむへと変わってきていることが分かった。 しかし、一方で生活の張りや目標となるような継続的な活動の場が不足している状況もあり、今後の課題でもあったが、昨年5月、そんな患者のつぶやきに触発された1スタッフの企画 (俳句や川柳、詩などを毎月作って1年後に作品集を作ろう)から発足した木曜文芸倶楽部が徐々に定着し始め、さらに作品 (主に俳句)を主治医や院長に見せたところ、タイムリーに俳句の専門家 (アルコール依存症回復者)をボランティアとして会に関わってもらうことになり、しかも、地域の句会に入会し(南風子)の俳号で患者の作品を出句できる状況となった。 当初専門家が活動に入ることへのスタッフの不安はあったが、患者の受け入れもすこぶるよく、また、運営についての話し合いをたびたび行ったことで不安は解消されている。発表の場では、これまでの一連の経緯を報告し、特に木曜文芸倶楽部の今後の運営に関して
- 作品をどのように取り扱うか 1患者に対して 2医療チームに対して
- 活動の場として (他の病棟の患者や外来患者)
・・・などについてどのように展開すべきだろうか?と問題提起しました。
会場から実際に俳句を使った活動を6年間されているOTの方やデイケアで俳句の会をされているPSWの方、さらに俳句をコミュニケーションとして関わりに使用しているというCPの方等、フロアの方々にたくさんの貴重なご意見とご指導をいただき、充実した一日となりました。また、「分科会のこの場も集団療法の場である」と各参加者に積極的に働きかけていただいた司会の佐藤先生およびコメンテーターの斎藤先生どうもありがとうございました。
最後になりましたが、 この発表の場を準備いただいた雁ノ巣病院のスタッフの方々に感謝いたします。ありがとうございました。